『掌編日記1:言葉にならない時間たちへ』

– 今日も、ここで綴る –
今日は、なにひとつ“成果”らしいことはなかったかもしれない。
でも、心が少しあたたかくなった──それだけで、充分だったりする。

誰かと交わしたやさしい視線。
ふとした瞬間に思い出した、あの言葉。
机の上に置かれた、まだ飲みかけのコーヒー。
気づけば、静かな呼吸をしていた自分。

そういう、“言葉にならない時間”が
ほんとうは、いちばん私たちを生かしてくれているのかもしれない。

今日を記録するわけでも、
誰かに見せるわけでもない。

ただ、ぽつりと綴ってみる。
今、この小さな心のゆらぎを。